今秋、Japan Master Violin Makers主催の新作絃楽器展『VIOLIN EXPO in SHIBUYA』に参加します。 日時:2019年11月8日 (金)~2019年11月10日(日) 会場:l’atelier by APC ホール Debussy 東京都渋⾕区東 1-26-30 渋⾕イーストビル1F https://www.lestudiobyapc.com 国内のみならず、海外からの出展者も参加予定です。現在決定している参加者は以下の通りです。楽器のみならず、弓の製作者も数名います。もちろん、ご自分の楽器、弓も持ち込み可能なので、その場で弾き比べてみるのも楽しいですよ。お待ちしております。 国内 Andreas Pruess (アンドレアス・プロイス) 石田 泰史 大森 琢憲 岡野 壮人 金子 斉一郎 木村 哲也 篠崎 渡 中西 桂仁 中西 綾 中林 弦 海外 Blaise Emmelin   (ブレーズ・エミュラン) Catherine Janssens  (キャサリン・ヤンセンズ) Daoudi Hassoun […]

2019 VIOLIN EXPO in Shibuya 展示会のお知らせ



パーソナルモデル この楽器のお客様からいただいたオーダーの内容は、「ストラディヴァリとか、グァルネリとかいったモデルにはこだわっていないので、深くて固くない音色のバイオリンが欲しい」というものでした。そこで、深みがあり少々ダークな音色に定評のある後期のストラディヴァリをベースに、常にお客様の理想の音を頭に思い浮かべながら、比較的自由に自分の個性を出しつつ作ったのがこのバイオリンです。ふくよかなアーチから想像できる豊かな音色で、お客様にも大変喜んでいただけました。

2016 Personal Model Violin


モンタニャーナ チェロ モンタニャーナのチェロは、ストラディヴァリのチェロなどと比べると、ずんぐりむっくりとした輪郭をしています。堀が浅く力強いアーチと伴い、この体型が独特で馬力のある音色の鍵となっているようです。ただ、ボディのくびれた部分(Cバウツ)の横幅が広いため、弓が表板のエッジに当たりやすくなり、演奏に支障をきたすことがあります。私が製作するときには、ネックの高さ、角度、またボディの輪郭などに工夫をこらし、そのようなことが起こらないようにしています。 表情豊かでパワーもありますが、高音を弾いても決して耳障りにならない音色のチェロです。 ボディ: 747mm アッパーバウツ: 358mm Cバウツ: 254mm ローワーバウツ: 445mm 弦長: 695mm

2016 Montagnana Cello


“エネスコ”グァルネリ・デル・ジェスのレプリカを製作したときの工程をご紹介します。 以下の工程はレプリカを作るために私がとっている方法です。作る楽器や個々のオーダーメイドで何が求められているかに合わせて臨機応変に製作方法を変えていきます。 大雑把な説明の仕方ですが、バイオリンを作ったことがある人にも、ちょっとした発見はあるかもしれません。 出来上がった楽器の紹介はこちらからどうぞ。2018 “Enescu” Guarneri del Gesu 以下のリンクをクリックすると各パーツの説明に飛びます。Ribs (側板)Front (表板)Back (裏板)Scroll (ネック、渦巻き)Assembly (組み立て) Ribs ボディの輪郭をもとに作った側板用のテンプレートです。Enescuは表板と裏板の形状が大きく異なるので、別々のテンプレートを用意します。 一般的に使われる内型といわれるものとは異なる、スケルトン型というものを使用します。ここにテンプレートを付けて作業します。 テンプレートを乗せるとこのようになります。 型に付いているブロックを成形し、横板をテンプレートにそって曲げていきます。 Cバウツを表と裏のテンプレートに沿って曲げ、膠でブロックに接着したところです。 さらに上と下側の側板を曲げる準備をします。 これで側板は全て付きました。 テンプレートを外すとこうなります。 表板に側板のラインを写しているところです。 Front 表板用に選んだ木材です。この一枚の状態から真ん中で割り、2枚にします。 2枚にしたものを本を開くような感じに合わせ、膠で接着します。ここに横板が後ほど接着される位置 と、バイオリンのおよその輪郭を描きます。 描いた輪郭を残すように糸鋸で切り取ります。楽器の内部になる裏側なので今はまだ平らです。 表側を大きなノミで削り、アーチとよばれる膨らみを出していきます。 アーチはこのようにテンプレートを使って確認しながら形作っていきます。このようなテンプレートは全て、今回Enescuを作るために新しく製図におこして作ったものです。 ノミでおおよその膨らみを出したあと、後ほどに写真が出てくる豆鉋という小さい鉋を使って曲線を出していきます。 さらにスクレーパーという道具を使いアーチをきれいにしていきます。 アーチを仕上げるのに使うのはこのスクレーパーという道具だけです。紙やすりは使いません。 アーチが出来上がったら、今度は裏側にむけ... 厚みを出していきます。 アーチと同じように、まずはノミを使い、さらに写真にある豆鉋、そしてスクレーパーで仕上げます。 このような道具を使い、パフリングの位置をケガキます。 ケガキを終えたところです。このようにパフリングのラインを描きます。 Enescu Guarneri del Gesuの写真とデータからおこした図面です。これをもとにf孔の位置を決めます。 さきほど描いておいたパフリングのラインを基準にします。 針先をつかって表板にf孔の輪郭を写します。グァルネリ本人も同じように輪郭を表板に描いていたので、彼の作品のなかにはこの針のあとが残っているものがいくつか存在します。 上下の穴をこのように開けます。 あとはナイフを使いf孔を削ります。 ケガキをしておいたパフリングの線を専用のナイフを使ってさらに深く切り込みます。 特殊なノミを使い、パフリングが入る溝を掘ります。 埋め込むパフリングは、それぞれ適した厚さに用意した黒と白の材料を貼り合わせたものです。黒い材料はもともと黒い黒檀を使っているのではなく、グァルネリと同じようにポプラや梨の木を黒く染めた材料を使っています。昔の製作者でも例えばガスパロ・ダ・サロは黒檀を使用してパフリングを作っていました。 グァルネリのパフリングは厚みがまちまちだったり、ところどころで折れていたり、隙間があったりします。そのような作者の癖も取り入れながら、埋め込んでいきます。 パフリングが終わりました。 輪郭の縁も丸めてやると、より一層バイオリンっぽくなります。 バスバーを表板のカーブに合わせて削り、接着します。 バスバーの形を整えてやります。機能的で美しいデザインというのはこういうものを言うのでしょう。 […]

Making of “Enescu” Guarneri del Gesu



旧ブログのエントリーでも説明したのですが、私がニスを塗るときには色が強いものを1〜3回に分けて塗ります。このビオラを塗装した際の写真を見てください。 始めの画像は目止めなどの下地処理が終わった状態のスクロールです。余談ですが、ストラディヴァリの渦巻きによくある黒い縁取りは、このようにニスが塗られる前に施されています。 そしてこれがニスを1層塗った状態です。違いがよく分かるように、塗装途中で写真を撮ってみました。 1層のニスがどれだけ濃い色をしているのかがよく分かりますよね。 http://atelier-kimura.hatenablog.com/entry/2013/08/09/192838

ニスの色の濃さ


ガスパロ・ダ・サロ モデル ビオラ ボディの側板と裏板にはメープルではなく、ポプラを使用しています。 ポプラをボディの材料として使うことで、より深く暖かい音色になり、レスポンスも良好な楽器ができます。また、長時間演奏しても疲れないように軽量化を図るためにも、より一般的なメープルよりも比重が軽いポプラは非常に有効です。C線からA線までバランスよく、繊細な音から身体に伝わる豪快に鳴り響く音まで、演奏者の期待に応えてくれる音色のビオラになりました。 試奏をご希望の方はお早めにお問い合わせください。「ガスパロ・ダ・サロモデルのビオラは弾いてみたいけれども420mmはちょっと...」という方には、このモデルをご希望のサイズでお作りいたしますよ。もちろん、メープルを使ったモデルもご用意できます。 ボディ:420mm アッパーバウツ:204mm Cバウツ:135mm ローワーバウツ:242mm 弦長:374mm ストップ:220mm

2019 Gasparo da Salo Viola 420mm


終了いたしました。ご来場ありがとうございました。 4月22日(日)に大阪市中央公会堂にて関西弦楽器製作者協会の展示会が行われます。詳しくはこちらをご覧ください。 今回は私も参加予定です。お気軽にお声をかけてください。

第10回 関西弦楽器製作者協会展示会