渦巻き


Stradivari Viola Copy
比較的状態の良いストラディヴァリの渦巻きを見ると、輪郭の角を落とす面取りと呼ばれる加工のしてある部分が、黒く塗られているのがわかります。 これはアントニオ・ストラディヴァリが1690年頃に始めたもので、それ以前の作品には見られない特徴です。輪郭を強調させようとしたのでしょうか。ちょうど面取りそのものの幅が広くなるのと同時期です。 上にあるのが1690年以前の黒塗りがされていない渦巻きで、下が1690年以降の黒塗りがされている渦巻きになります。彫り方を比べてみてもその作風がかわっているのがわかりますね。

ストラディヴァリのスクロールその2


Betts Scroll Outline
スクロールは製作者の個性が際立って現れる箇所です。当時の楽器としては比較的精度が高いストラディヴァリの楽器でも、渦巻きを見ると彼の癖がよくわかります。  ストラディヴァリの黄金期に作られたヴァイオリンの渦巻きに特に目立つのが、楕円形です。言葉で説明するのが難しいので上にある図を見てください。 このような癖があるので、高音側から見たときの渦巻きには頭をもたげていくような印象があり、低音側から見たときには逆に頭をうつむかせていくような印象があります。幾何学的に描かれる渦巻きからずれていることで独特の動きと流れが出ています。  1704年製『ベッツ』の渦巻きの輪郭だけを残し、両側を重ねてアニメーションにしました。こうしてみると違いがわかりやすいですね。 

ストラディヴァリのスクロール